その使い方大丈夫?刈払機(草刈機)による危険な事故のリスク

草刈機による事故

草刈りで使用する電動工具やエンジン系工具も、現在ではホームセンター等で簡単に手に入れることができます。特に一般の方向けに販売されている製品は比較的安く、業者に頼むのもお金が勿体ないので、自分で道具を揃えてやってみようとご決断される方も多いと思います。しかし、ご自身で作業をなさる際に十分注意してほしい事が、「我流で誤った道具の使い方をしない」という点です。特にエンジン系工具などの馬力のある機械を使用する際には、例え説明書に沿った正しい使い方をしていたとしても、常に一定のリスクが潜んでいるという事を忘れないようにしましょう。

刈払機(草刈機)の危険性

一般的な草刈り作業において、もっとも使用頻度の高い機械が刈払機(草刈機)です。利用者の多さに比例して事故も多く、指の切断や失明、死亡例もあります。「草刈機 事故」などで検索すると実際に起きた事故事例が多数ヒットします。

1.振動障害

振動が手・腕に伝わるような工具を使用することによって起こる健康障害です。症状としては手と指の冷えやしびれ、感覚の鈍化、手や腕の筋肉痛、ひじの痛み等です。振動障害は一度発症してしまうと完治は期待できず、対処療法的治療によって諸症状の緩和に努めるしかありません。これはチェーンソー等、振動するその他工具の使用でも起こり得ることです。

2.キックバック

機械自身の回転力によって機械が跳ね飛ばされる現象で、チェーンソー等の使用でも発生します。キックバックは一瞬にして起こり、作業者は完全にコントロールを失います。機械が跳ね飛ばされた先に自分や他人の身体があった場合、大事故につながります。刃が切れない物に接触した時や、急に回転が妨げられた時なども注意が必要です。

3.飛散物

刈払機での作業中、多くの切断した草や小石等が飛んできます。また、草むらの中には異物が隠れていることもあります。草が絡まりやすくなるからと言って、飛散防護カバーを取り外すのは絶対にやめましょう。飛散物による事故のリスクが高まります。

4.火傷

作業中はもとより、エンジン停止後もしばらくエンジンカバー周辺に触れてはいけません。 エンジン部周辺は大変高温になっているため、火傷の原因になります。

5.刈刃に絡まった草や異物を取り除く際の事故

刈刃に詰まった草やツル等を取り除く際は、再起動する手間を惜しまずに必ずエンジンを停止させてから対処しましょう。エンジンを止めた後に惰性で刃が回転している状態での事故も発生しているため、刃の回転についても完全に停止させる事が重要です。

6.周囲への十分な配慮

たまに素人の方が草刈機をブンブン振り回して往復刈りしているのを見かけますが、刃がこぼれて飛んで行く事もあれば、キックバックの可能性も高まります。周囲や自分自身の安全のためにも適切な使用を心がけましょう。また、子供は好奇心が旺盛で危険に対する認識も甘いため、不用意に近づいてくることがないよう十分な配慮が必要です。

7.点検・メンテナンス

これは以前に所属していた会社で実際に私の身に起きた事なのですが、同僚のユウスケ君(仮名)が草刈り作業中に何を思ったのか、突然刈払機を空中で振り回しはじめました。後で聞くと草むらから突然アシナガバチが現れ、追い払うためにそのような行動をとってしまったらしいのですが、その際に刃を止めるナットがゆるんでいたため、回転中に外れた刃(チップソー)が私めがけて気円斬のように飛んできたのです。何とかナッパのごとく避けることに成功しましたが、当たっていれば死んでいたかもしれません。飛んで行った刃が当たったコンクリートのブロック塀は深くえぐられていました。こうした事故を未然に防ぐためにも日頃の点検やメンテナンスは大変重要です。

一般のご家庭向けには金属製の刃の代わりに、ナイロンコードを使用する刈払機が比較的安全なのでおすすめです。こちらの製品はコード式なため、コンセントが必要になります。