僕が自律神経失調症の症状を完全に自覚したのは20代前半の頃、まだ大学生のときでした。
それから10年間近くこの症状に対する治療法、治し方を探し続けてきましたが、未だに完治とまではいっていません。
完治とまではいかないのですが、初期の頃に比べると体調が大分改善されているところもあり、また人によっては劇的な効果を発揮する可能性もあるので、これまで僕が自律神経失調症を治すために試した治療法や、それを調べている中で得た情報などについて書いていこうと思います。
自律神経失調症とは
自律神経失調症とは読んで字のごとく、自律神経の調子が失われてしまっているような症状のことを指します。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、それぞれの神経がバランスを保つことにより呼吸、代謝、消化吸収、体温調節、血液循環、ホルモン分泌などの生命活動を維持しています。
基本的に自律神経は自分の意志とは無関係に絶えず働いており、コントロールすることが難しい、ある意味「体の真の支配者」ともいえる存在です。
自律神経の調子次第で人生が左右されてしまう僕のような人間からすれば、「神」そのものと言ってしまっても過言ではないかもしれません。(変な宗教には入っていないのであしからず。)
交感神経の働き
交感神経は「昼の神経」と言われ、活動時に優位になる神経です。
また「闘争と逃走の神経」とも呼ばれるように、戦闘態勢に入ったときや緊張状態になったときにも活発になります。
交感神経が優位になっているときの体の反応としては
・呼吸や脈拍(心拍数)が速くなり、ドキドキする
・血圧、体温の上昇
・唾液の分泌が減り、喉がカラカラに渇く
・胃液(胃酸)や腸液などの分泌が減る
・便秘がちになる
・瞳孔が開く
・鳥肌が立つ
・興奮する
・神経伝達物質であるアドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンの放出
などが挙げられます。
副交感神経の働き
一方、副交感神経は「夜の神経」や「休息の神経」と言われています。
睡眠や休息など、リラックス状態のときに優位になる神経です。
副交感神経が優位になっているときの体の反応としては
・呼吸や脈拍(心拍数)が遅くなる
・血圧、体温の低下(片頭痛がおきる)
・唾液の分泌が増える
・胃液(胃酸)の分泌が増える
・お腹がゆるくなる(下痢ぎみになる)
・瞳孔の縮小
・眠くなる
・神経伝達物質であるアセチルコリンの放出
などが挙げられます。
自律神経失調症の症状
以上のような働きをもつ交感神経と副交感神経ですが、過労やストレスなどが原因でその二つの神経のバランスが崩れてしまい引き起こるのが、自律神経失調症です。
身体的症状ランキング
完全に主観ですが、代表的なものを上位に挙げてみました。
1位 不眠症 … 寝付けない(入眠障害)。すぐ目が覚める(中途覚醒、早朝覚醒)。寝てもスッキリしない、ぐっすり寝た気がしない(熟眠障害)。
2位 多汗症 … 季節に関係なく冬でも汗をかく。全身または手足、腋など局所的な発汗。冷や汗。寝汗。
3位 眼精疲労、目の疲れ … 目や目の奥の疲れがとれない。
4位 ホットフラッシュ、ほてり … 更年期障害のような症状。微熱。
5位 冷え性、手足の冷え … 夏でも手足が冷たい。
6位 疲労感、倦怠感 … すぐ疲れる、何となくだるい
7位 息切れ … 呼吸が苦しい、息苦しい
8位 頻脈、動悸 … 日常生活で急に鼓動が速くなったり、ドキドキする。
他にも以下のような症状があり、どの症状が強く出るかには個人差があります。
・鼻づまり
・みぞおちの不快感、吐き気
・口が渇く
・頻尿、残尿感
・脈拍が飛ぶ、徐脈、不整脈のような症状
・めまい、ふらつき、立ちくらみ
・耳鳴り、片頭痛
・肩こり、腰痛、筋肉痛
・体重増加、体重減少
・食欲不振、食欲異常
・性欲不振、性欲異常
・胃痛、胃炎
・下痢、便秘
・胸やけ
・飲み込むときに喉に違和感を感じる
・肌荒れ、じんましん、かゆみ
・生理痛、生理前の不調、生理不順
精神的症状ランキング
1位 イライラする … 怒りを抑えられない。
1位 過度の緊張感 … 何てことのない場面でも緊張する。
1位 虚無感 … なにもやる気が起きない。ぼーっとする。
1位 関心や興味の低下 … 今まで楽しいと思っていたことがつまらなく感じる。
1位 思考力の低下 … 集中力、記憶力の低下。考えられない。
1位 不安感、抑うつ … あせり。ネガティブなことばかり考える。嫌なことばかり思い出す。
1位 情緒不安定 … 感情の起伏が激しくなる。すぐ怒ったり、泣いたりする。
精神的な問題は個人差がありすぎますし、その日の体調や気分にも大きく左右されるので同列1位です。
自律神経失調症の厄介さ、うつ病との違い
以上のように様々な症状を引き起こす自律神経失調症ですが、
・病院で検査をしても異常が出ない
・うつ病などの精神疾患と区別がつきにくい
など、対応が厄介なこともあり不定愁訴(ふていしゅうそ)と呼ばれることもあります。
病院で検査しても異常が出ない
僕は不眠(中途覚醒)の症状が出た時点で、すぐに病院に行き次のような検査をしました。なぜなら間違いなく何かの病気だと思ったからです。
①血液検査、尿検査、心電図検査(地元の内科受診)
②脳CT検査、脳MRI検査(内科の紹介で別施設で検査)
③ホルター心電図検査(総合病院の循環器科受診) … 24時間の心電図を測る検査です。
④エコー検査(超音波検査)、胃カメラ検査(地元の消化器科受診)
ここまでいくとセカンドオピニオンどころかドクターショッピングですが、これだけやっても何も異常が出ませんでした。
疑った病気としては、貧血、腎不全、肝機能障害、糖尿病、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、膠原病、脳腫瘍、胃がん、大腸がんなどです。
うつ病などの精神疾患と区別がつきにくい
身体に異常がないので、最終的にメンタルクリニック(心療内科、精神科)を受診しました。そこでうつ病のチェックーシートのようなものを書かされ、診察の時点で僕が感じていた中途覚醒などの症状を説明すると、案の定「軽いうつ病のようなもの」と言われ、抗鬱剤や抗不安薬、睡眠薬などの薬を処方されました。
結構きつい副作用を我慢してしばらく薬を飲んでみましたが、「これが抗鬱剤なんだ」と思うくらいで、何か違う気がしました。
うつ病にも種類があるので何とも言えないですが、うつ病特有の「抑うつ気分」というものがあまりなく、自分が感じる不調の根本的解決にもなる気がしなかったので、心療内科への通院や抗鬱剤の服用は勝手に中断してしまいました。
ただ、うつ病が原因で自律神経失調症になる人もいれば、その逆のパターンもあると思うので、一概に「自分は自律神経失調症だからうつ病ではない」と言い切ることはできないと思います。
自律神経失調症の症状がうつ病の症状に重なる点があることからも分かるように、自律神経失調症とうつ病などの精神疾患を区別することは、時として難しくなります。
自律神経失調症になる原因
うつや不眠、自律神経失調症になる原因やタイミングは人それぞれです。
ここでは特に自律神経失調症を引き起こす要因について解説していきたいと思います。
①ストレス
ストレスを感じるかどうか、またその度合いは人それぞれです。ネットやスマホ、SNSなどの普及により人間社会の在り方が変わってくる中で、ストレスの形も変化、多様化しています。
そして一過性のストレスなのか継続的なストレスなのかによっても、心身への影響は大きく変わってきます。
物理的ストレス、肉体的ストレス
・ケガ、事故
・暴力、虐待などによる物理的ダメージ
・病気や障害、アレルギー
・出産、子育て、介護
・過労
・夜勤
・睡眠不足
・気候や気圧の変化
・暑さや寒さ
・薬物の摂取や副作用
・飲酒、喫煙
・ゲームのやりすぎ、テレビの見過ぎ
精神的ストレス、対人関係のストレス
・失敗や挫折
・健康や将来に対する不安
・住宅や車のローン返済、借金
・投資による損失、含み損
・家族やペットとの別れ、死別
・家族関係、嫁姑問題
・友人や知人の不幸
・結婚や離婚
・異性やパートナーとのトラブル、失恋
・いじめ、セクハラ、パワハラ、モラハラ
・ご近所付き合い、ママ友付き合い
・SNS
・クリスマス
社会的ストレス
・就職活動、入社、転職
・仕事のプレッシャー
・プレゼンや人前での発表
・昇進や収入への不安
・残業
・出張、接待、ゴルフ
・退職、リストラ、解雇、派遣切り
・不況、不景気
・学校(入学、卒業、転校、退学、プロム)
・ニート、ひきこもり
・交通社会(渋滞、煽り運転、違反切符)
環境的ストレス
・騒音、振動
・地震などの自然災害
・大気汚染などの公害
・カビやほこり、ハウスダスト
・花粉
・照明や眩しい光
・通勤時の満員電車やコミケなどの人ごみ、混雑
②生活習慣の乱れ
人体の構造やリズムを無視した生活習慣、ライフスタイルを続けていると、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできなくなり、バランスに狂いが生じます。
その結果、本来夜に活発になるはずの副交感神経の働きが鈍くなり、いつまでも交感神経優位の状態が続いてしまい眠れなくなる、などといった弊害が生じます。
生活習慣の乱れとしては
・インスタント食品ばかり食べるなどバランスの偏った食生活
・お酒やコーヒーの飲み過ぎや、たばこの吸い過ぎ
・運動不足
などが挙げられます。
③ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れ、変化は自律神経に大きな影響を及ぼします。
特に女性の場合は月経や妊娠、出産などホルモンバランスが絶えず変化し続けているので、男性よりその影響を受けやすい傾向にあります。
また、思春期や更年期にもホルモンバランスは変化します。
④遺伝や先天的体質
子供の頃から
・中々寝付けない
・すぐ吐く
・下痢しやすい
・自家中毒(周期性嘔吐症)
など、生まれつき自律神経が過敏な体質の人もいます。
自律神経失調症の治し方、改善方法
ここから自律神経失調症の治療法や改善方法について紹介していきます。
身体的アプローチ
通院、薬物療法
他の疾患の疑いを消すためにも、まずは病院に行って医者の判断を仰ぐ、ということが大切です。精神科や心療内科に関しては正直当たりはずれが大きいとは思いますが、周りに相談しづらい症状について話せることで、精神的に楽になれる可能性があります。
薬物療法(処方箋が必要な薬)としては、以下のようなものが挙げられます。
・自律神経調整薬 … 自律神経に直接作用。精神面に問題がない場合に有効。副作用は少な目。
・抗不安薬(精神安定剤) … 自律神経の緊張や不安を和らげる。副作用は眠気やめまい脱力感など。
・睡眠薬 … 睡眠障害の改善。副作用は眠気やふらつき、力が入りにくいなど。
・抗うつ薬(SSRI、SNRI、NaSSA) … 抑うつ症状が強い場合などに処方。副作用は眠気、多汗、体重増加、吐き気、排尿障害、頻脈、喉の渇き、便秘、下痢など。
・ホルモン剤 … 更年期障害や卵巣の摘出によりホルモンバランスが崩れた女性に対して、女性ホルモン(エストロゲン)を補充するために処方。
いずれの薬においても、依存症や副作用には注意が必要です。
また、国によっては持ち込み禁止になっていることもあり、海外旅行など渡航の際にも注意が必要です。
漢方療法
医師の処方箋があれば、健康保険が使える場合もあります。
・黄連(おうれん) … イライラ、不安、頭痛、胸のつかえなどの改善。
・抑肝散(よくかんさん) … 不眠症、イライラ、神経のたかぶり、神経症などの改善。
・芍薬(しゃくやく) … 神経の緊張や興奮の抑制。
・帰脾湯(きひとう) … 不眠症、貧血、虚弱体質などの改善。
・酸棗仁湯(さんそうにんとう) … 不眠症、不安、神経過敏の改善。
サプリメント
人によってはサプリメントが有効な場合もあります。経験上過度な期待は禁物ですが、薬を使いたくないという方や、比較的症状が軽い方は一度試してみるのもいいかもしれません。
マルチビタミン
大塚製薬 ネイチャーメイド スーパーマルチビタミン&ミネラル 120粒
ストレスなどの影響により、ビタミンをはじめとした何らかの栄養素が急激に消費され、欠乏状態に陥ってる可能性があります。特にビタミンやミネラルが不足してしまうと、自律神経のバランスが崩れやすくなるようです。
この製品に限ったことではありませんが、マルチビタミン系のサプリは錠剤が大きく飲みづらいことが多いので、場合によってはピルカッターなどで割ってから飲むといいかもしれません。
鉄分
鉄分不足による貧血は、慢性的な疲れやだるさ、めまいやふらつきを引き起こすことがあります。
自分が貧血かどうかは病院で血液検査をすれば一発で分かるので、心配な方は一度調べてみるといいでしょう。
鉄には体に吸収されやすい「ヘム鉄」と吸収されにくい「非ヘム鉄」があり、ヘム鉄は肉や魚、非ヘム鉄は野菜や貝類、穀物に多く含まれています。
僕は体質のせいか、鉄分のサプリメントを飲むと気持ち悪くなることがあります。調べてみると鉄剤の摂取で胃の不快感や気持ち悪さを訴える人が結構いるみたいなので、そういった方は注意が必要です。
亜鉛
亜鉛は自律神経が乱れた時に不足しがちな栄養素の一つです。
亜鉛不足は味覚障害や免疫力の低下、男性であればEDの原因などにもなります。
一方で、亜鉛の過剰摂取は銅の吸収を阻害するおそれがあるため、用法用量をしっかり確認するようにしましょう。
ローヤルゼリー
ローヤルゼリーは王乳とも呼ばれ、女王蜂だけが食べることができる特別食です。成分としてはタンパク質、果糖、ブドウ糖、脂肪、ビタミン、ミネラルなどを含んでおり、女王蜂の体が働き蜂に比べて大きくて長寿なのは、このローヤルゼリーが原因と考えられています。
ローヤルゼリーに含まれるアセチルコリンやタウリンなどの神経伝達物質は、自律神経の中枢である間脳(視床下部など)に作用し、自律神経の調整にも関係しています。
以前僕が試したローヤルゼリーについてはあまり効果を実感できませんでしたが、このDHCの製品はレビューの評価が特に高いようなので、近いうちに試してみようと思います。
アセチルコリン系(DMAE、レシチン、アルファGPC、ホスファチジルセリン)
一般的によく知られているのがローヤルゼリーなので最初に挙げましたが、アセチルコリンに関係したサプリメントは他にも何種類かあります。
僕は自律神経失調症の改善目的で購入しましたが、アセチルコリンが記憶力や集中力、高度な思考に関係していることから、スマートドラッグとしてのニーズの方が高いようです。
ここでは僕が実際に試したアセチルコリン系のサプリメントを、商品説明文を抜粋する形で紹介していきます。
DMAE … DMAE(ジメチルアミノエタノール)は、脳内に微小量ある天然のアミノアルコール。神経信号の送信と健康な脳機能に関与する神経伝達物質である、アセチルコリンの産生に必要な必須栄養素コリンの前駆体。(前駆体とはその物質が生成される前の段階にある物質のこと。)
レシチン … レシチンは細胞膜に見られる自然物質で、食事由来のコリンから肝臓で生成される。レシチンには、主要な神経伝達物質であるアセチルコリンの前駆体、ホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質が含まれている。
アルファGPC … アルファGPCは記憶と他の認知機能にかかわる神経伝達物質であるアセチルコリンの天然の生理学的前駆体。アルファGPCは他のコリンのフォームよりもバイオアベイラブル性が高く、血液脳関門を越えて脳に到達することが知られている。
ホスファチジルセリン … ホスファチジルセリン(PS)は、脳内で自然発生するリン脂質。リン脂質はアセチルコリン、セロトニン、ノルエピネフリン及びドーパミンを含む特定の神経伝達物質に重要な影響を及ぼす。
ぶっちゃけ説明文みてもよく分からないし、本当に自律神経に対して有効に作用するのかも怪しい所ですが、僕の場合ホスファチジルセリンは多汗症に多少効果があったように感じています。ちなみにスマートドラッグとしての効果は意識していなかったこともあり、自覚できませんでした。
セロトニン系(トリプトファン、5HTP、ビタミンB6、ナイアシン)
セロトニンは脳内で働く三大神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン)の一つで、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。
精神のバランスや安定を保ったり、幸福感を生み出すのに必要な物質です。
不足するとドーパミン(快楽物質)やノルアドレナリン(怒り、恐怖、不安、イライラを引き起こす物質)のコントロールが効かなくなったり、不眠症やうつ病、神経症の原因になるとされ、自律神経の働きにも大きく関係していると考えられます。
逆に過剰摂取した場合は「セロトニン症候群」を引き起こす可能性があります。特に抗鬱剤(脳内のセロトニン量に作用する薬)との併用は医師に相談するなど注意が必要です。
また、セロトニンは質の良い睡眠の鍵となる脳内ホルモン「メラトニン」の材料でもあります。(ちなみにメラニンはシミとかのやつなので混合注意。)
トリプトファン … トリプトファンは体内で作り出すことのできない必須アミノ酸と言われる栄養素の一つで、セロトニン合成の原材料です。
肉、魚、大豆製品、乳製品、ナッツ類、バナナなどに多く含まれています。
5-HTP … トリプトファン → 5-HTP → セロトニン という順番で代謝されるため、トリプトファンをすっ飛ばして直接5-HTPから摂取しようという発想があります。日本では医薬品に指定されており販売や広告も禁止されているため、ここでの商品紹介は控えます。
僕は5HTPのサプリメントを摂取したことがありますが、吐き気の症状が出たことがありそれ以来飲んでいません。
ビタミンB6 … ビタミンB6にはトリプトファンからセロトニンへの合成を促進する働きがあるため、トリプトファンと相性のいい飲み合わせと言えます。
ナイアシン(ビタミンB3) … ビタミンB6と同じく、トリプトファンからセロトニンへの合成を助ける働きがあります。
但し、ナイアシンには「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれる独特の副作用を引き起こすことがあり注意が必要です。僕は空腹時にナイアシンを100㎎摂取したときにナイアシンフラッシュを体験しました。症状としては腕に蕁麻疹のようなものが出てきて顔が赤くほてり、体中がカーっと熱くなるような感覚が30分程度続いた感じです。
普通の人であれば結構怖い副作用だと思うので、ネットに溢れているナイアシンフラッシュの体験談などをよく調べてから、試すかどうか決めることをおすすめします。
また、ナイアシンの過剰摂取は肝機能障害などを引き起こす可能性があるようなので、その点にも注意が必要です。
ちなみにナイアシンフリーをうたった「ナイアシンアミド」と呼ばれる、ナイアシンフラッシュが起きにくい製品もあります。
睡眠関連(グリシン、GABA、メラトニン)
睡眠の質の向上に関連したサプリメントです。睡眠障害だから自律神経失調症になるのか、自律神経失調症だから睡眠障害になるのか、卵か先かニワトリが先かみたいな話ですね。
グリシン
【Amazon.co.jp 限定】ファイン グリシン3000 ハッピーモーニング 30日分(1日1包/30包入)
グリシンは調味料にも使われるアミノ酸で、睡眠の質の改善に効果があるとされています。
僕はこのファイン社のグリシンとナウ社の単体グリシン両方を摂取したことがありますが、どちらも似たような体調の変化を感じました。
具体的に表現するのは難しいのですが、眠気が少し強くなったのと起床時の体の感覚が何となくいつもと違うといった感じです。
GABA(ギャバ)
[海外直送品] ナウフーズ ギャバ GABA 750mg(ベジタリアンカプセル)
GABA(ギャバ)は神経の緊張を緩和したり、リラックス効果や抗ストレス効果があるとされているアミノ酸です。
メラトニンの合成に関係していることから、睡眠や生殖機能の調整にも効果があると言われています。
個人的には何だかぼーっとして若干体に力が入らないような感覚があり、睡眠の質に好影響かはよく分かりませんが、変化はあったと思います。
メラトニン
メラトニンは睡眠のリズムを調整するホルモンで、脳の松果体というところからトリプトファン、セロトニンを経て合成されます。
メラトニンの特性として、光の刺激が強い日中にはその分泌が抑制され、逆に夜暗くなると分泌が盛んになります。
夜寝る前にテレビやスマホなどを見ていると寝つきが悪くなってしまうのは、このメラトニンの分泌が抑制されてしまうのが原因だと考えられます。
アメリカなどでは普通にサプリとして入手できるのですが、日本での製造や販売は認められていないため、入手に際しては個人輸入代行業者などを利用する形になります。
その他(セントジョーンズワート、エゾウコギ、アスタキサンチン)
自律神経失調症に関係がありそうな、僕が試したその他のサプリメントについても紹介します。
セントジョーンズワート(西洋オトギリソウ)
日本名は西洋オトギリソウと言い、ヨーロッパで人気のあるハーブです。
不眠や軽度のうつ病、更年期障害や自律神経失調症に効果があるとされています。
個人的にはぶっちゃけよく分かりませんでしたが効く人には効くみたいで、この手のサプリメントなどを調べているとよく目にする名前です。
エゾウコギ
エゾウコギは朝鮮人参と同じウコギ科の植物で、不安やストレスの緩和、滋養強壮の効果があるとされています。
あがり症にも効果があるという口コミを見かけたので購入しましたが、効果を実感するにはある程度長い期間の服用が必要なのかなといった印象です。
アスタキサンチン
アスタキサンチンについては以前にレビュー記事を書いていたのですが、僕の場合は自律神経失調症に対してよりも目のピント調整機能に効果を発揮してくれた感じです。
アスタキサンチンは運動で活性化した交感神経を鎮め、いち早く副交感神経優位の状態にもっていく作用があるという記事を見かけたので、人によっては自律神経の調整効果が期待できるかもしれません。外部サイトですが、以下にその記事へのリンクを貼っておきます。
光療法
NatureBright SunTouch Plus Light and Ion Therapy Lamp[並行輸入品] (白)
光療法は高照度の光を浴びることで体内時計を正常に戻し、睡眠障害やうつ病、自律神経失調症を治療する方法で、高照度光照射療法とも呼ばれます。
光療法に必要な具体的な光の明るさは2500ルクス以上(ルクスは照度の単位)とされており、実際の治療には5000~10000ルクス程度の光を使用します。一般家庭にある照明で数百ルクス程度なので、太陽光もしくは光療法専用の照明が必要になります。
朝の決まった時間、できれば起きてからすぐに太陽光を浴びる習慣があれば理想的なのですが、実際には様々な事情でその実行が難しくなるため、人工の光を使った光療法が現実的な手段となります。
僕が実際に購入して使用しているのはこの海外製のライトで、照度は10000ルクスです。
選んだ理由は単純に10000ルクスのライトの中で一番値段が安かったからですが、それでも一万円近くしました。同じく10000ルクスの国産品のライトは、使える機能が豊富なこともあり四万円以上します。
本当に効果があるかどうか分からない物にいきなり何万も出したくない、それでも一度どうしても試してみたい、そんな気持ちから思い切って海外製のものを買ってみました。
実際使ってみた感想としては、劇的とまではいかないまでも何となく効果がある気がするといった感じです。少なくとも生活リズムに多少のメリハリをつける効果はあると思うので、悪いものではないと感じています。思い込みかもしれませんが、寝つきがよくなっている気もするのでこれからも継続して使っていくつもりです。
僕の使い方としては朝起きてからすぐにライトをつけ、パソコンなどを操作しながら最低15分以上光を浴びるといったものです。このときに大事なのが、ライトをできる限り自分の正面に置き、光を目から取り入れることです。そうすることで脳に光の明るさが伝わり、「日中のメラトニンの分泌を抑制 → 約15時間後(夜)に再分泌」の流れが円滑化されます。
また、光を目からではなく「耳」から取り入れるイヤホン型の製品もあります。「Valkee(バルケー)」という商品名で、アマゾンは在庫切れのようですがメルカリなどで入手することができます。大体一万~二万円。
イヤホンタイプであれば外出時に使用できて便利なので、僕も一時期かなり欲しかったのですが、色々調べている中で否定的な意見も目にし、値段も値段なので次第に興味が薄れていきました。メルカリにボンボン売りに出ているのも疑わしい。
もし実際に試したことがある方がいれば是非その感想を教えてください。
心理的アプローチ
心理的な理由から体調不良を引き起こしている場合、心の在り方や考え方のクセなどについても見直す必要があるかもしれません。
森田療法
認知行動療法や自律訓練法など様々な心理的アプローチがありますが、僕が特におすすめしたいのはこの森田療法です。というかこの一冊の本です。
療法と聞くと大げさに感じてしまう方もいるかもしれませんが、この本に書かれていることは心身に何も異常を抱えていない、一般の方にも大変役立つ内容となっています。
「自分はこうあるべき」「こうじゃないと普通じゃない」といった完全欲へのとらわれや、不安やそれに付随した逃避欲求を無理に抑えるつけることなく、生体メカニズムの一環としてあるがままに受け入れることの大切さなどが書かれています。
特に神経質気味だったり、真面目で几帳面な方などには共感を得られる部分が多いと思うので、おすすめしたい一冊です。
その他自律神経失調症の予防や改善が期待できること
日常生活編
生活リズムを一定に保つ … 食事の時間や就寝、起床の時間を一定に保つことで生活リズムにメリハリをつけ、体内時計が狂わないようにします。まぁ言うのは簡単ですよねって感じですが基本なので一応書いておきます。
有酸素運動 … 30分程度を目安にウォーキングなどの軽い有酸素運動を日常に取り入れることで、自律神経のバランスを改善する効果が期待できます。ウォーキングの他にもジョギングやサイクリング、水泳など一定のリズムで行う有酸素運動が、セロトニンの分泌を促し効果的です。
腹式呼吸(丹田呼吸法) … 呼吸には胸式呼吸と腹式呼吸の二種類があり、胸式呼吸が交感神経を活発にしてしまうのに対して、腹式呼吸は副交感神経の働きを高める効果があります。普段、無意識で行っている呼吸を意識下において行うことで、自律神経のバランス改善に働きかけることができます。
ブルーライトを控える … スマホやパソコン、テレビなどから出ているブルーライトと呼ばれる光は、自律神経に悪影響を及ぼすと言われています。僕はスマホの液晶にはブルーライト保護フィルムを貼り、長時間ゲームをしたりするときにはブルーライト保護メガネをかけるようにしています。特に夜寝る前などは、これらの刺激の強い光を発する電子製品の利用は控えた方がいいと思います。
腸内環境を整える …腸は「第二の脳」とも呼ばれ、自律神経の働きと密接な関係があります。腸にいい栄養素としては乳酸菌や食物繊維などが挙げられます。
禁煙、禁酒 … たばこに含まれるニコチンは交感神経を刺激し、アルコールは自律神経を乱す原因になることがあります。禁煙、禁酒とまではいかなくても、過剰な摂取は自律神経のために控えたほうがいいでしょう。
半身浴 … 入浴には血行を改善し、筋肉など体の緊張をほぐす効果がありますが、中でも半身浴は心臓や肺に水圧の負担をかけないメリットがあるため、おすすめです。あまり高温だと交感神経が刺激されてしまうので、リラックスできる程度のぬるま湯がいいでしょう。
サウナ … 温度刺激により発汗を促すことで、自律神経の調節力を高める効果が期待できます。サウナと冷水を併用する交代浴も有効ですが、体への負担も大きくなるため無理のない範囲で行う必要があります。
アロマテラピー … 僕はまだ試したことがないのですが、香りをかぐことで脳を刺激し、自律神経のバランスを調整する効果のあるアロマがあるようです。
ストレッチ … 自律神経の不調から、体がカチコチに固くなることがあります。そんな場合は就寝前のストレッチが効果的です。
笑う、泣く … 情緒不安定になれということではありません。笑うことでセロトニンの生成が活発になり、涙を流すことで副交感神経の働きが活発になります。
都市伝説編
歯列矯正 … 以前僕は親知らずを抜いてから若干自律神経の調子が良くなった気がしたので、歯並びが自律神経失調症に関係あるのかもと思い、歯列矯正を試みたことがあります。しかし費用が何十万もかかるのと、そんな理由で歯列矯正をやるものではないと歯医者さんに諭されたため、断念しました。人によっては銀歯などの詰め物が金属アレルギーを引き起こし、体調不良の原因になることもあります。
逆立ち … 逆立ちが自律神経にいいという噂を目にしたことがありますが、僕はあまり効果を感じることができません。何となく健康にいい気もしますが、逆に気持ち悪くなることもあります。
禁欲 … 賛否両論ありますが、僕の場合は自律神経改善に明らかな効果があると感じています。ただ、続きません。
アフリカの大地で原住民と野生生活 … 現実的ではありませんが、ふざけてるわけでもありません。怪しい周波数やブルーライトを放つ電子製品から解き放たれ、太陽が昇ったら目を覚まし、沈んだら眠る。原始の生活に戻れば自律神経失調症も治る気がしませんか?
以上、自律神経失調症に関することを思いつく限り書いてみましたが、今現在も改善方法を模索中な身のため、些細なことでもいいので何か情報があれば教えてください。
今後も加筆修正していくつもりなので、情報の共有ができれば幸いです。