話が違う!悪徳不用品回収業者に要注意

悪質不用品回収業者に要注意

引っ越しや事務所の移転、不用品整理や遺品整理などに伴い、ゴミの処分に困る方は多いと思います。特に引っ越しなど、引き渡しの期日まで時間がなく急いでいる場合、多少高くついても不用品回収業者に頼んでしまおうと考える方もいるかと思います。

しかし、悪質な業者にひっかかってしまった場合、数万円、下手したら数十万円だまし取られてしまう可能性もあります。
私は過去に半年ほど都内の不用品回収業者で働いていた経験があるので、ここでは元従業員の視点から注意すべき業者について、具体例とその対策を書いていきたいと思います。

軽トラックのパックで頼んだはずなのに2tトラックなど、話と違う車で来る

業者はお客が処分したいゴミの量に合わせてSパック、Mパック、Lパックなどの料金プランを用意していることが多いのですが、例えばSパックが軽トラック満タン詰め放題のコースだったとして、電話ではSパックを予約していたはずが、実際に家に来たのは大きい2トントラックだった、なんていうことがあります。しかも、そのトラックの荷台には既に前の現場で回収したゴミを積んでおり、当初の話であった軽トラックの荷台満タン分を本当に回収してもらえているのか確認できない、という状況に陥ります。

これは、回収できるゴミの量をごまかすためのよくある手口です。

悪質な業者は電話予約の際に「現在繁忙期のため、大きなトラックで伺うことがあります。その際には既定の量より多めに積ませていただきますので、何卒ご了承ください。」などのように上手いことを言ってきます。

しかし、実際は軽トラックなどそもそも所有していない可能性さえあるのです。

なので対策としては、絶対に予約したパック専用の車種(軽トラであれば軽トラ)で来てもらい、荷台は空の状態にしておくよう電話の時点で念を押しておくことが大切です。

家具などを解体しないでそのまま荷台に積み込んでしまう

食器棚、本棚、テーブル、タンス、学習机、椅子、衣装ケースなどの家具は、例えどんなに大きなものでも基本的には全て解体が可能です。

そして業者はそれを確実に知っています。

なぜなら業者が客から回収したゴミを産業廃棄物処理場やクリーンセンターなどにもっていく場合、処分費用はゴミの体積で見積もられるからです(草木専門の処分場は重量で見積もります)。そのため、絶対に家具などのかさばる物は壊し、体積を減らしてから処分場にもちこみます。

それにもかかわらず、お客に対しては家具などを解体しないでそのまま荷台に積み込み、パック料金を請求するといった悪質な業者がいます。

まともな業者であれば家具は解体してから細かく荷台に積むはずなので、特に詰め放題をうたっている場合は必ず確認しましょう。

トラックの荷台で板を立てない

これは業者が使う車にもよるのですが、例えば平ボディと呼ばれる屋根のない(箱型ではない)トラックであれば、通常はより多くの荷物が積めるよう荷台にコンパネと呼ばれる木の板を立てた状態で積み込みをします。

もし車の荷台に木の板があるにも関わらず、業者がそれを立てて使おうとしない場合、足元を見られている可能性があります。

詰め放題のパックを頼むのであれば電話予約の時点で、積み込む体積を増やすための木の板の使用の有無を確認しておきましょう。これがあるのとないのとでは積み込める量に2倍、3倍の差が生じます。

ちなみに、業者が回収したゴミを捨てる際に処分場で支払う費用は、板を立てた2tトラック満タンの状態で大体3~4万円程度です。量としては大型冷蔵庫8台分くらいの体積になります。

会社の実体がよく分からない

産廃業者は誰でも簡単に始めることができるため、個人事業主が多く、中には必要な資格や営業許可がない者、前科のあるヤクザまがいの人間も紛れています。そういった人間が、お客に対して十分な配慮、サービスを提供できるわけがありません。

そこで、依頼した不用品業者が実体のある会社であるか必ず確認するようにしてください。例え、大手の引っ越し業者や信用できる知人が紹介する業者などであっても注意する必要があります。

なぜなら以下のような重大なトラブルが発生した際に、逃げられてしまう可能性があるからです。

・パソコンや郵便物などから個人情報が漏洩
・家具や家電などを運ぶ際に壁や床、階段など家の中を傷つけられる
・物を盗まれる(お金、貴重品、女性であれば衣類や下着など)
・業者のミスでゴミではないものを勝手に捨てられてしまう
・明らかに不当な金額を請求されていたことにあとで気づく

このようなトラブルに対して確実に責任を追及できるよう、しっかりと事業者の所在地、連絡先、代表の氏名などを確認しておく必要があります。

簡単にチェックできるポイントとしては、ホームページに社長、又は代表の氏名(顔写真つきが望ましい)、住所固定電話の番号(0120などのフリーダイヤルは携帯などで簡単に取得できてしまう)が掲載されているかです。少しでも曖昧にしている様子があれば、疑った方がいいでしょう。

ちなみにホームページは個人でも数万円だせばそれなりのものを専門業者が作成してくれます。そして簡単に消すこともできます。それっぽい写真や、お客様の声と称してねつ造したアンケートをいくつも載せているような業者は信用に欠けるので注意が必要です。

最後に

ここまで悪質な不用品回収業者について気を付けるべき点を挙げてきましたが、階段作業を追加料金として上乗せするなど、実際にはまだまだいろいろな手口が存在します。

万が一こうした悪質な業者とトラブルになってしまい、対話による解決が望めない場合には、すぐに最寄りの警察や国民生活センター(消費者センター)に相談しましょう。

最後に、元業者である私の個人的な意見としては「緊急事態を除き、不用品業者は使わない方が賢明」です。理由としては上記に挙げたものに加え、やはり経済的な問題が一番大きいです。

ゴミは時間をかけて計画的に処分していけば、業者に頼む以上の費用は絶対にかかりません。

例えゴミの捨て方が分からなくても、市役所に問い合わせたり、インターネットで調べるなどすれば、簡単に最適な処分方法を知ることができます。

時間がないからといって、安易に業者の都合のいい広告文句に飛びつかないようにしましょう。