防草・雑草対策に有効な手段や裏技とそのメリット・デメリット

防草対策 砂利

ご自宅の周囲や駐車場、お庭やちょっとした家庭菜園など、雑草が生えてくる場所はたくさんあります。

アスファルトやコンクリートの隙間から生えてくることもあり、その生命力は大変高く厄介です。

雑草は成長すると大量の種子を飛ばし、放置しているとあっという間に広がってしまうため、防草・雑草対策は出来る限り早いタイミングで行う必要があります。

雑草ボーボー状態は最悪、ご近所トラブルの原因にもなりかねません。

専門業者として働いていた経験がある私は、効果の継続期間やコストパフォーマンスの面から防草シートと砂利(6号砕石)の同時施工をお薦めする機会が多かったのですが、ここではそれ以外の方法についても、長所や短所を交えながら紹介していきたいと思います。

除草剤をまく

メリット
・値段が安い
・高齢者や女性の方でも簡単にできる
・景観への影響がない
デメリット
・効果の持続期間が短く、年に数回繰り返す必要があり、めんどくさい
・残しておきたい植物や花、樹木の周りでは枯れてしまうので使えない
・人体(特に子供)や動物、ペットに対する影響への懸念

除草剤には液体粒状のものがあります。液体は即効性がある代わりに長持ちせず、粒状のものは効果が出るまで時間はかかりますが、3ヵ月~半年位は効果が持続します。また、全ての植物を枯らす非選択性除草剤と対象の雑草のみを枯らす選択性除草剤があります。芝生などのお手入れには選択性のものを使用する必要がありますが、市販で売られている除草剤は基本的には非選択性なので気を付けましょう。

  左が液体、右が粒状のベストセラー品です。

防草シートを敷く

メリット
・そこまで値段がかからずコスパがいい
・多少コツはいるが一度敷いてしまえば長期間(長ければ5年近く)もつ
・人体や動物への影響がなく環境にやさしい
・土埃の抑制
デメリット
・紫外線や摩擦に弱い
・シート単体だと景観を損なう可能性あり
・物が悪かったり劣化が激しいと破れて雑草が生えてきてしまうことがある
・業者に頼むと高い

上記のデメリットを補うために防草シートの上に砂利を敷くのが望ましいですが、費用は余計にかかってしまいます。しかし、定期的な除草作業による手間や費用を考えると、防草シートと砂利の同時施工は他の雑草対策に比べ、コストパフォーマンスが高いです。

防草シートには日光を遮断することによって、雑草等の光合成を妨げる効果があります。また、防草シートはビニールシートと違い水を通すので、水溜りができる心配はありません。

防草シートは生地の質が一番重要です。実際に購入した人達のレビューや口コミを参考に、劣悪なものを掴まされないようにしましょう。値段が安く生地の薄いペラペラなものは、すぐに駄目になるので注意が必要です。また、砂利を敷かない場合真っ黒だと目立ってしまうので、緑色など自然に近い色合いの防草シートがおすすめです。

  生地が厚手で、レビューの評価が高い防草シートです。

砂利(砕石)を敷く

メリット
・購入経路によっては安価(建材屋や砂利屋で直接購入すればコストを抑えられる)
・土埃の抑制
・水はけがよくなる
・ジャリジャリうるさい物は防犯効果が期待できる
デメリット
・通販などで購入すると高額(重量があるため)
・作業が重労働(力のある方や男性であれば自分でできる)
・砂利単体だと隙間から雑草が生えてくる
・落ち葉等の掃除が大変
・業者に頼むと高額

防草対策としての砂利敷きは、防草シートと同じく日光を遮断する効果があります。ただし、単に土の上から砂利を撒くだけではそこまで高い効果は期待できません。砂利と砂利の隙間から雑草が生えてくることもありますし、人や車の通る場所や柔らかい土の上では、時間の経過とともに砂利が土に埋もれてしまいます。防草効果を上げるためにも、防草シートとの併用をお薦め致します。

ちなみに砂利を安く入手する裏技としては、レンタカーなどで軽トラックを用意し、直接砂利の販売業者に取りに行ってしまうのが一番安上がりです。

そして実際に砂利を敷く際には、スコップまたは「てみ」を使用します。てみはガーデニングや工事現場などで使う大きなちりとりのようなもので、砂利を敷くのに便利です。

水で固まる土(固まる砂)

メリット
・防草効果が高い
・施工直後は綺麗
・落ち葉等の掃除がしやすい
デメリット
・値段が高い
・素人にもできないことはないが手間がかかり難しい
・時間の経過と共にへこみやひび割れが起きる
・時間の経過と共に黒い苔が生える

固まる土とはその名の通り、水をかけるとカチカチに固まる土です。土でできた簡易コンクリートのようなもので、ホームセンター等でも入手できます。高い防草効果を期待できる反面、コストも高くなります。また、強度自体はそれほど高くないので、経年変化でへこみやひび割れが起き、苔が生えることによって黒ずんできます。

塩水をかける(非推奨)

メリット
・コストがかからない
・簡単に誰でもできる
・時間がかからない
デメリット
・半永久的に塩が残留し植物が育たなくなる
・住宅基礎、配管等への悪影響

塩水での防草対策は簡単にできる反面、塩が土壌で分解されないため花や植木が育たなくなったり、住宅の基礎や配管等に悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。土壌に関係のない部分での使用を除いて、基本的に一般家庭でのご利用はお勧めしません。

熱湯、ゆで水をかける

メリット
・費用がほとんどかからない
・簡単にできる
・人体や動物への影響がない
デメリット
・根まで枯らすのは難しい
・広範囲への使用は不向き(大量の熱湯が必要になるため)
・火傷のリスク

熱で枯死させる方法です。限定された範囲には有効ですが、熱湯を庭一面の雑草の根に浸透させるのはかなり困難な上、火傷のリスクも伴います。

手で抜く、鎌や草刈機で刈る

メリット
・道具さえあればお金がかからない
・適度な量であれば運動になる
・自然と触れ合える
デメリット
・重労働で体に負担がかかる
・時間がかかる
・場合によっては危険が伴う
・定期的な作業が必要

根本的な解決策にはなりませんが、急ぎの場合や雑草の量がそこまで多くない場合、自力で対処しなければならないこともあると思います。業者では人の手による除草作業のことを人力作業と呼んだりします。短時間で終わる作業であればそこまで問題ないのですが、長い時間の作業になれば腰や体に負担がかかります。また、天候や使用する道具によっては、熱中症や思わぬ事故を引き起こすこともあり、注意が必要です。

こちらの記事も参考にして下さい。

春到来!お庭作業や草木・土壌に潜む危険について紹介
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また、どちらもコード式なのでコンセントが必要なのが難点ですが、電動で比較的安全に雑草を取れる除草器具も紹介しておきます。

ムサシの除草バイブレーターは発売当初売り切れになっていて、私はホームセンターに置かれていたデモ機を、立ったまま使用できる別売りのアタッチメントと一緒に箱なしの状態で購入しました。土が固くなければどくだみなどの雑草を根元から取ることができたので気に入っていましたが、現在知人に貸したまま返ってきていません。

 

最後になりますが、ごみの処分などが面倒なこともあり、草刈りや雑草対策を専門業者に任せたいという人もいると思います。シルバー人材センターなどは良心的でおすすめですが、中には高額請求してくるような悪質な民間業者もいるので、必ず最初に見積もりを取り比較するようにした方がいいでしょう。以下の記事も参考にして下さい。

草刈りや剪定などの業者選びに迷われている方へ
草刈りや剪定などの業者選びで迷われている方向けに、各業者のメリット・デメリットをタイプ別に簡単に解説します。○○110番やシルバー人材センター、便利屋さん、植木屋さんなど、様々な業者がはびこっています。

以上になります。

雑草対策に有効な情報が入り次第、また記事を更新していくつもりです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。