日頃YouTubeなどで筋トレ動画を漁っている方は、上のビフォーアフター画像を見た瞬間この文章を目にすることなく、既にこのページから立ち去っていることでしょう。
「183cm、71kg?なんだ、まだ全然ガリじゃん。しょぼい。しかもギャランドゥ。」
ぶっちゃけ自分でも全然大したことないのは分かってます。(毛の処理も怠りました。)
分かってるんですけど、もしフィジークやボディビルダーのようなプロのゴリマッチョを目指していないのにも関わらず、
「ジムに通ってウエイトトレーニングをしなければ筋肉はつかない。」
「自分は食べても太らない体質だからいくら筋トレしても無駄。」
「筋トレは数年単位で続けないと目に見えた効果が表れない。時間がかかる。」
「サプリやプロテインなどもお金がかかる。」
など、変な固定観念や幻想を抱いてしまっている筋トレ未経験者もしくは初心者の方むけに(僕もまだまだ初心者ですが)、これくらいの筋肉であればそんなにお金をかけずに短期間で簡単につくよ、という紹介的なことを一度してみたかったので、記事を書かせていただくことにしました。
目次
そもそもそんなに筋肉必要?
いやまぁ、これ言ってしまうと元も子もないですし、目標は高いにこしたことはありません。ただ僕はあなたに、「本当に筋トレ系ユーチューバーとかプロのボディビルダー、フィジーカーのような体になることを求めているのか」ということを問いたいです。
ぶっちゃけ僕は求めています。あの肉体美はかっこいいし憧れます。ニンマリどや顔でポーズとったりもしてみたいです。
本当は
「生活やスポーツのパフォーマンスを向上させるのが目的で、見た目はそこまで重要ではない。」
「スーツや服が似合う程度の筋肉があればいい。」
「一般人から見て違和感のあるレベルの筋肉はきもいのでつけたくない。」
「女受けを狙っているだけ。モテたい。」
くらいのレベルで考えている人が多数派だと僕は考えています。
現実問題、大会に出るようなレベルの本格的なボディビルダーやフィジーカー達の体を目指すのであれば、それなりのデメリットも覚悟しなければいけないと思います。
ウエイトトレーニングでガチムチマッチョになるデメリット
ムキムキを維持するにはコストがかかる
ガチムチムキムキゴリマッチョになる、もしくはそうあり続けるためにはお金がかかります。学生のみなさん、既婚者のみなさん、お小遣いいくらですか?僕は独身ですけどお金ないです。仕事終わりに飲むワンカップ代がやっとです。
具体的にお金がかかる理由、要因としては
・サプリやプロテイン、食事にかかる費用
コストその1 ジムの会費
通うジムにもよりますが、例えば最近はやりの24時間営業の無人ジム(カメラで監視)なんかの会費は、どんなに安い所でも月額6000円以上はします。年間にすると最低でも72000円。入会費がかかることもあります。ましてやパーソナルトレーニング(個別指導)を行ってくれるジムになると、より高額になるのは当然です。糖質制限で有名なライザップなんて目ん玉飛び出ますよ。ちなみに、総合格闘技やボクシングのジムはどこも大体月額1万円程度です。
フリーウエイトやマシーントレーニングができる一番安上がりな場所としては、区または市営のスポーツセンターのようなところがあると思います。例えば僕の近所のスポーツセンターだと、大体一回4時間ほどいられて400円くらいです。週2回行ったとしたら月額3200円。まぁ悪くないですね。悪くないんですけど、安いだけに平日の朝や昼間にいかない限りは混んでることが多いと思います。自分がやりたいと思ったタイミングでマシーンが使えない、これはかなりのストレスになってしまいます。
コストその2 サプリやプロテイン、食事にかかる費用
本格的にジムのウエイトやマシーンで筋肉を追い込んだら、次は傷ついた筋肉を超回復させ、筋肥大を狙うために大量の栄養やカロリーを摂取しなければなりません。本当にセミプロレベルでムキムキな体を維持したいのであれば、一日6000キロカロリーくらいは食べないといけません。これってボクシング界のレジェンド、マニーパッキャオ選手の一日の食事量レベルです。
どんだけ食費かかるの?ユーチューバーならいいよ?
って僕は思います。それに加えて効率よく栄養を摂取するためにはたくさんのサプリメントも必要になります。プロテイン、BCAA、クレアチン、グルタミン、アルギニン、βアラニン、マルチビタミン、上を目指せば目指すほどキリがなくなってきます。しかもこれらのサプリを一ヵ月や二ヶ月の周期で定期的に買い続けなければなりません。
最悪なケースですと、体を大きくすることへの欲望が強くなりすぎて、副作用の強いステロイド(男性ホルモン、テストステロン)に手を出してしまう人もいます。そうなると費用も半端なくかかってきます。まさに整形手術がやめられなくなってしまった人、みたいな心理状態です。
ムキムキを維持するには時間がかかる
ジムに行くだけでも移動時間がかかりますし、行ったら行ったで今度はバーベルやマシーンなどのトレーニング器具が空くのを、奇声やあえぎ声が飛び交う中待たなければいけない時もあります。
また、大量のカロリーや栄養をとるとなれば、一日に何回も食事の時間を作らなければなりません。トップレベルのボディビルダーは一時間ごとに食事をします。就寝中でも夜中に一度起きてプロテインを飲んでからまた寝るという生活です。
毎日遅い時間まで働いてる社会人の方、もしくは学業や部活に追われている学生の方などは、筋トレする時間を1時間作るというだけでも大変なのに、正直これはきついです。やる気があるうちはいいですけど、継続するのが難しいと思います。
ムキムキマッチョは使えない筋肉?
「ボディビルダーの筋肉やウエイトでつけた筋肉は使えない筋肉」、というのは結構よく聞くフレーズ、迷信です。正直これに関しては自重トレーニング派の僕でも理不尽すぎる言いがかりだと思います。そもそも用途が違います。例えるならフロイドメイウェザーがボクシングルールで総合の選手であるコナーマクレガーをボコボコにして、「はい、お前雑魚~w」と言うレベルの話だと思っています(実際は言ってません)。
ただ一方で、ウエイトなどでつけた筋肉が「スポーツ、特に高い持久力を必要とするような競技等では使いにくい筋肉」と言い変えるのであれば、議論の余地はあると思います。(神経系とか技術的な話はここでは置いておきます。)
理由としては主に、
・基礎代謝や運動時の消費エネルギー上がりすぎて、少し動いただけですぐにエネルギー切れを起こす
・骨格に対しての妥当な筋量を超越しているので単純に体が重い
ということが挙げられます。
ウエイトトレーニングにおける心肺能力
ウェイトトレーニングが自重トレーニングに勝る最大の利点、メリットは「筋肉に効かせやすい、追い込みやすい」ことだと思います。なぜならフリーウェイトやマシントレーニングは筋肉を追い込む際に、そのための適切な重量を幅広い範囲の中から細かく設定することができるからです。
自重トレーニングはどうでしょう。「自重」なのですから最大でも自分の体重量が限度です。重りを付け替えたりすることもできません。なので時には追い込むために回数をこなし、インターバル(休憩)なしで連続してトレーニングを行わなければ、満足のいくような追い込みがかけられないことがあります。そして「回数をこなし連続して行う」というのは筋肥大における最も効率的なセオリー、理論からは外れてしまうと思います。しかし、その代わりに副産物としての「心肺能力の強化」がついてくるのです。
一方でウェイトトレーニングの場合も、もちろん心肺能力を必要とします。ただ基本的に全身運動が多い自重トレーニングに比べると、デッドリフトやスクワットという種目を除いては、鍛えたい部位のみに集中して、局所的に体を動かすという場面が多くなりがちで、時間も短く持久面からみた心肺能力への負荷はそこまで高いとは言えません。
言いたいことをまとめると、
ウエイトトレーニングによる基礎代謝の上昇
基礎代謝が上がることはダイエットをしている人などにとっては、自然な脂肪燃焼や体重減少につながるため、特に嬉しいことだと思います。
しかし、それがウエイトトレーニングなどで必要以上につけた筋肉によるものであれば、階段の上り下りなど、何てことのない普通の日常生活でさえも、時折不便さを感じてしまうことがあるかもしれません。
要は普通車がF1カーになってしまうようなもので、馬力がある分、少し動いただけでも大量にエネルギーを消費してしまうということです。
エネルギーが切れてしまったら、またすぐに新しい燃料を補給しなければなりません。
これは心肺能力にも絡んだ話ですが、ユーチューブで海外のプロボディビルダーの方々の動画を見ていると、日常生活の何気ない場面でも、やたらハァハァ息切れしている人が多いことに気づくはずです。
ウエイトトレーニングによるケガのリスク
筋トレを行う上で一番注意をしなければいけないことは、ケガです。特にウェイトトレーニングでは自分の2倍、3倍といった重量を扱うこともできるので、その分ケガのリスクが高くなります。
例えばBIG3(ビッグ3)と言われるデッドリフトやスクワットのような前かがみになるような種目は、間違ったフォームで高重量を扱ってしまうと、椎間板ヘルニアやギックリ腰になってしまう可能性があります。
またウェイトトレーニングで最も人気がある種目と言っても過言ではない、同じくBIG3と呼ばれるベンチプレスも、無理をすれば肩や胸、手首を痛めてしまいます。実際格闘技をやっている私の友人も、昔ベンチプレスで痛めた肩の後遺症で、未だにパンチを打つ時などに軽い違和感を感じることがあると言っていました。
扱う重量が重量なだけに、一瞬の油断が後に引きずるような重大なけがを招く恐れがある、ということを忘れてはいけません。マシンと違い軌道が不安定になりがちなフリーウェイトなどは、特に注意が必要です。
例え自分の家の場合であっても、粗末にダンベルなどの高重量器具を扱ったり置いたりするのはやめましょう。転がって足の上に落ちてきて骨折、なんてことになってしまったら大変です。
ガリの僕が実際に行った懸垂器具のみを使用した自重筋トレの具体的な方法
ここまで散々ウェイトトレーニングをディスってきて、ようやく本題です。ちなみに、ここまでネガティブなことを書いてきましたが、僕はウェイトトレーニング否定派ではありません。というかこの先ウェイトも普通に取り入れます。ただ、筋トレ未経験者や初心者の方が最初からウェイトに手を出してしまうと、上記に書いてきたような問題にぶり当たり、トレーニング自体を敬遠してしまう恐れがあると思ったので、「それなら最初は僕と同じお金も手間もかからない自重トレーニングから体を慣らしていこうよ」的な意味合いを込めて、ウェイトトレーニングのデメリットを長々と書いてみた次第です。筋トレは何より継続することが大切です。
まずは懸垂器具の用意
懸垂器具には色々な呼び方があります。「懸垂バー」、「チンニングバー」、「チンニングスタンド」などなど。
Amazonの一覧を見る限りは「ぶら下がり健康器」という呼び名がポピュラーみたいです。うーんださい。まぁ確かに腰に負担のかかる動きをした後などにぶら下がると、ストレッチ効果があって気持ちいいですけどね。腰痛持ちにもいいかもしれません。
ちなみにチンニングというのは懸垂のことを表す和製英語で、実際の英語では順手懸垂をプルアップ、逆手懸垂をチンアップと呼ぶようです。
YouTen(ユーテン) ぶら下がり健康器 改良強化版 懸垂マシン マルチジム ぶらさがり トレーニングマシン (ハンマートーン(ベンチなし))
僕が持っているのもこんな感じで、値段も形もほとんど同じです。
ぶっちゃけレビューなど見てみて自分が良さそうだなと思ったら何でもいいと思います。
強いて言うなら、安定感に定評のある商品が見つけられればそれがいいでしょう。僕のチンニングスタンドはディップスをしているとき、結構ガタガタ揺れます。
必ず押さえるべきポイントは
この2つは絶対条件で、おまけでプッシュアップバー(腕立て伏せ用)も付いていれば腕立て伏せの可動域が広がるため、筋トレがはかどると思います。また、腹筋用のベンチがついているタイプの物もありますが、これに関しては好みです。僕は当時の一番安い商品を購入しただけなので、プッシュアップバーや腹筋台なんていう贅沢品はついていませんでした。
家または公園などに懸垂とディップスができる環境があるのであれば、懸垂スタンドを購入しないでそちらを利用するという手もあります。
懸垂器具で行える種目
懸垂スタンドで行える種目は多岐に渡り、上半身の筋肉(腹筋を含めた腰回りから上の筋肉)であればほぼ全て鍛えることができます。個人的には最も一般的な筋トレ器具である、ダンベルよりも汎用性が高いと考えています。
また、背筋や上腕三頭筋がパワーに影響してくるストレート系のパンチ力を鍛えたい人にも懸垂スタンドはかなりおすすめです。
懸垂(チンニング)
僕は懸垂が全ての自重トレーニング種目の中で最も優れていると考えています。優秀さではスクワットも捨てがたいですが、自重で効かせるには工夫が必要でそもそも鍛える部位も違います。
とにかく上半身を鍛える上で懸垂は最強です。
懸垂で鍛えることのできる筋肉の部位は広背筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋、大円筋、前腕筋群などです。ウェイトトレーニングの種目で言うとラットプルダウンが近いです。
懸垂にも色々な種類があって、全て書こうとするとキリがなくなってしまうので、実際に僕が筋トレのメニューに取り入れてるものだけ紹介します。
①サムレス順手ワイドグリップ
「サムレス」というのは、親指を人差し指の横につけている状態のことです。要は懸垂バーを「掴む」のではなく、指を「引っ掛ける」ようにすることです。こうすることで懸垂をするときに腕の力(主に上腕二頭筋)が使いづらくなるため、背中に刺激を集中させやすくなります。
「順手」は手の甲を内側、つまり顔側に向けた握り方です。
「ワイドグリップ」は幅を広くもつということですが、ワイドの定義は人それぞれ若干違ってくると思います。僕の場合は手を肩幅より拳二つ分くらい外側に配置するようにしています。
個人差があると思いますが僕は赤丸の位置に手を置いています。広背筋にガッツリ効かせるように引くことが大切です。
②サムレス順手ナローグリップ
サムレス順手というところまで上と同じで、懸垂バーをもつ位置を大体肩幅と同じくらいに設定します。ナローは英語で「狭い」という意味です。
肩幅より狭い気もしますが、僕は大体赤丸の位置です
③逆手ナローグリップ
今度は逆手です。逆手は手の甲を自分の顔側ではなく、外側に向けた持ち方です。この種目で僕は上腕二頭筋(力こぶの部分)を特に意識して鍛えるようにしています。ここではサムレスではなく、普通に懸垂バーを掴む握り方をしています。
僕の場合、手の位置は大体赤丸の位置です。上腕二頭筋に力が入りやすい位置を探すことが重要です。
④(片手懸垂)
おまけです。片手懸垂をメニューにいれる必要はありません。
片手懸垂は多分広背筋というより上腕二頭筋が発達していないと厳しくて、僕はまだ足をバタバタさせながら一回が限界です。
ちなみに空いてる片方の手で握っている方の手首を掴んでするのは片手懸垂じゃありません。
⑤その他
僕はオーバーだのアンダーだのパラレルだのの懸垂種目の正式名称はよく分かりません。
要は懸垂バーの持つ位置と持ち方を変えているだけです。持つ位置と持ち方を変えるだけで懸垂という種目は鍛えられる筋肉の部位がガラリと変わります。面白いです。
ボクシングのフロイドメイウェザー選手のトレーニング動画では、赤丸の部分をもって懸垂している様子が映っていました。僕も真似しています。
ディップス
ほとんどの懸垂スタンドはディップスができるようになっています。というかディップスができるものを必ず選ぶようにしましょう。本当にぶら下がることしか使い道のないぶら下がり健康器などは筋トレ向けではありません。
ディップスは主に上腕三頭筋(力こぶの反対側)、大胸筋(お胸)、三角筋(肩)を鍛えることができます。負荷が非常に高い腕立て伏せと言えるかもしれません。ウェイトトレーニングで言うとベンチプレス系です。
赤丸の部分に手を置いて行います。
懸垂と違いディップスにそこまで種類はなく、懸垂スタンドの場合幅も調整できないので、上半身の傾き加減で効かせる部位を調整する感じです。
上半身を倒すと大胸筋に効きやすくなり、起こすと上腕三頭筋や三角筋への負荷が高くなります。僕の場合は大胸筋に効かせるようなフォームで行うことが多いです。
ハンギングレッグレイズ
ここからは腹筋の種目になります。
ハンギングレッグレイズは懸垂バーにぶら下がり、足を上げ下げする動作を行います。
これにより腹直筋が鍛えられます。普通のよくある腹筋運動に比べ、短時間で大きい負荷をかけることができます。腹筋を割りたい人、シックスパックを作りたい人には特におすすめです。
膝を曲げず足を伸ばした状態でゆっくりと行うことが理想ですが、できない場合は膝を曲げた状態から始めましょう。
足を伸ばして行う場合、おろすときにゆっくり時間をかけておろすと負荷が高まっていい感じです。
ハンギングワイパー
懸垂バーにぶら下がり、両足を上げた状態で下半身をワイパーのように左右に振るトレーニングです。
腹直筋にも効きますが、特に腹斜筋(くびれの部分)に対しての効果を期待して行います。
なかなか難易度が高く、僕も最初は正しいやり方がよく分かりませんでしたが、ハンギングレッグレイズの方を行っているうちに段々と形になってきた感じです。
ハンギングワイパーは動きがダイナミックなものになるので、お家のスペース的に行うのが難しい場合もあるかと思います。そういう場合はハンギングレッグレイズの方をがんばりましょう。
自重トレとは離れますが、腹斜筋はダンベルなどでも鍛えることができます。
腹斜筋は地味で結構忘れられがちな筋肉だと思いますが、パンチの回転力などにも影響すると思うので、格闘技をやっている方は鍛えておきたい筋肉です。
(逆さ吊り腹筋)
逆さ吊り腹筋は片手懸垂同様おまけです。というか危ないのでおすすめしません。チンニングスタンドの仕様的にも禁止事項に入るレベルだと思います。
FitnesStyle グラビティブーツ サスペンションブーツ 逆さぶら下がり 器具 腹筋 背筋 トレーニング
このような器具を足首にセットして、懸垂バーに引っ掛けて逆さまになった状態で腹筋をします。懸垂バーに引っ掛けるのもコツがいりますが、外す時が一番危ないです。僕は頭から落ちて首を痛めそうになったことがあります。どうしてもやってみたい場合は懸垂バー以外の安全な場所での仕様をおすすめします。
負荷は高いですが逆さまになることで気分が悪くなったり、気持ち悪くなることもあるのでハンギングレッグレイズで十分だと思います。
どのように行うのか
ここまでは懸垂器具で行うことのできる種目について解説しました。ここではそれらの種目を実際どのように行うのか、やり方やメニューの組み方などについて説明していきます。
スーパーセット法を使う(重要)
スーパーセット法とは、拮抗する筋肉(例えば上腕二頭筋と上腕三頭筋)をインターバルをおかずに連続でトレーニングする方法です。
「ある筋肉を鍛えているとき、その逆の位置にある筋肉(拮抗筋)はリラックス状態に入り、回復速度が上昇する」という現象を利用します。
具体的に懸垂スタンドで行える種目で説明すると、広背筋を懸垂で追い込んだなら、次はその拮抗筋である大胸筋をインターバルなしですぐにディップスで鍛える、といった感じです。
といった感じです。
つまりスーパーセット法は「押し出す動作(筋肉の伸縮)」と「曲げる、引っぱる動作(筋肉の収縮)」をインターバルをおかずに1セットで行うということです。
こうすることで自重トレーニングでも短時間で高い効果を発揮することができます。
回数は数えない
僕は筋トレ中、数をカウントしません。
回数を数えることで成長を実感できるというメリットもありますが、そもそもできる回数はその時の体調にも大きく左右されると思います。
期間をおいてから「今何回できるようになったかな?」と確認に使うくらいであれば有効だと思いますが、毎回かぞえるようなことは僕はしません。
重要なのは回数より、集中して追い込めたかどうかです。回数ばかりに意識がいってしまうとフォームもおろそかになりかねません。
ということで僕は
を1セット(スーパーセット法なのでインターバルをいれない)として、それを限界まで繰り返します。セットの間はインターバルを入れて大丈夫です。
ただこれだけです。
元々僕はスーパーセット法など知らず、追い込みやすい方法を考えながらやっていたら自然とこのやり方に落ち着きました。あとでスーパーセット法のことを知って「あぁ科学的根拠みたいのあったんだな」と分かった次第です。
時間はかけない(コルチゾールに要注意)
筋肉を追い込むことは大切ですが、トレーニングのやりすぎは逆効果になります。
これは自重トレーニングだけではなく、ウェイトトレーニングなどにも言える事ですが、筋トレにかける時間はどんなに長くても90分以内に抑えるべきです。
理由はコルチゾールが分泌されてしまうからです。
コルチゾールは副腎で作られ、炭水化物、脂肪、タンパク質代謝を制御し、炎症などを抑える生体に必須のホルモンですが、過剰に分泌されると筋肉を分解してしまいます。
コルチゾールは精神的、または肉体的ストレスで増加します。そして筋トレのしすぎは肉体的ストレスを助長します。
体力がついてきたり、体調がよかったりで長時間トレーニングしたい時もあるかもしれませんが、せっかく筋トレしても筋肉が分解されてしまっては意味がありません。
個人差はありますが、コルチゾールが増加しないトレーニング時間のラインが大体90分と言われているので、その時間以内に終わらせるようにしましょう。
フォームや呼吸を大切にする
最初から正しいフォームで行うというのは難しいと思いますが、ケガの防止にもなるため、できるだけ早い段階で意識するようにしましょう。
懸垂にしろディップスにしろレッグレイズにしろ、反動(チーティング)を使わないでゆっくり丁寧に行う(ストリクト)ことが大切です。
呼吸に関しては基本的に力を入れる際に息を吐くようにすると、パフォーマンスを発揮しやすいです。ボクサーがパンチを打つ時にシュッと息を吐く要領です。筋トレの場合はそれをもっとゆっくりと体の動きに合わせて行います。
筋トレの頻度、分割法
頻度に関しては体力に個人差があるので何とも言えないですが、毎日連続で行う必要はありません。食事、睡眠を含めた休息が大切です。
僕の場合は
火曜 ・・・ 腹筋種目
水曜 ・・・ 休み
木曜 ・・・ 休み
金曜 ・・・ スーパーセット法で懸垂種目、ディップス
土曜 ・・・ 腹筋種目
日曜 ・・・ 休み
みたいな感じで約三か月間やりましたが、自分に合うやり方を無理のない範囲で見つける事が重要だと思います。
「筋トレの日だ、やらなくちゃ」みたいな義務感が出てしまうと続かないので「やりたいときにやる」でも別にいいと思います。
僕は「体が回復した気がしたらやる」という感じです。場合によっては体調が悪くて一週間やらなかったりもしました。
懸垂ができない、ディップスができない、ハンギングレッグレイズができない
僕のように痩せているタイプの人は体重が軽いので、結構最初から懸垂やディップス、ハンギングレッグレイズができてしまう傾向にあるのですが、一般的には自分の体重を支える、強度の高い種目とも言えるので、できない場合の解決策も考えていきたいと思います。問題なく行える人は飛ばして大丈夫です。
手が痛い、握力がない
手が痛い場合は軍手をしたりタオルをバーにかぶせてからトレーニングを行うといいです。
握力がなくて体を支えることができない場合の対応策としては
①ハンドグリップやスナップボールなどで握力を鍛える
②補助道具を使う
という方法があります。握力を鍛えることに特にこだわりがないのであれば、パワーグリップなどの補助器具を使うのがいいと思います。
純粋に筋力が足りない場合
単純に筋力不足の場合、それぞれの種目と同系統の、負荷の小さい種目で体を慣らしていきましょう。
といった感じです。
自重トレーニングは体重がそのまま負荷になってしまうので、太っている人であれば少しダイエットをして痩せてから挑戦する、というのも一つの手になります。
食事、栄養補給
一応タイトルにガリと書いたので、ここでは僕と同じガリ気質の人がメインで見ていることを想定して書かせていただきます。
食事は筋トレと同じくらい重要です。僕のようなガリには筋トレより重要かもしれません。
ただ、トップ画像の僕程度の体であれば、ささみだとかプロテインだとかの特別な食事は別に必要ありません。タンパク質なんて大抵の食事にはそれなりに含まれています。
しっかり三食たべること。これが重要です。筋トレしたらすぐにプロテインを飲まなきゃいけない、そんなこともありません。
といってもプロテインを全くとらなかったわけではありません。
僕は学生時代から朝ご飯を食べるという習慣がなく、未だに起きたばかりだと胃があまり食べ物をうけつけてくれません。
そこで利用したのがお菓子みたいで食べやすいプロテインバーや、液体で飲みやすいプロテインです。ウィダーインゼリーやカロリーメイトにしていた時期もありましたが、コストパフォーマンスを考えるとプロテインの方がいいです。
大体プロテイン1杯やプロテインバー1本に含まれるタンパク質は20gです。その程度のタンパク質量であれば普通に朝食を食べられる人であれば、近い数字を普通の食事で補えると思います。例えば牛乳や納豆はタンパク質が多く含まれていておすすめです。
三食たべるのは基本として、それでもどうしても太れないという場合は、吸収率を高めるために一回で食べる量を減らし、食事の回数を増やすというやり方もいいと思います。可能であればそのうちの1、2回をプロテインにすると、筋トレの効果が高まるかもしれません。
食べることが苦手な人でも「これなら食べられる(飲める)」というものを見つける事が大切だと思います。ナッツ類なんかもタンパク質が豊富に含まれているのでおすすめです。
プロテイバーに関しては以前にこんな記事を書いたのでよければ参考にして下さい。
筋トレのモチベーションが切れたとき
筋力トレーニングをすると筋肉に血液が集まり、パンプアップすることによってある程度の高揚感を感じることができるので、それがモチベーションにもつながると思います。ただ、それだけをモチベーションとして上げたり下ろしたりだのの単調作業を続けることが難しいのもまた事実だと思うので、僕がモチベーションを維持するのに実際に役立った方法を書いていきたいと思います。
音楽を聴く
ノリのいい音楽を聴いて、アドレナリンやエンドルフィン、ドーパンをドバドバ出してテンションを上げていきましょう。僕はEDM(音楽のジャンル)をよく聴きながらトレーニングしていました。イヤホンなどで音楽を聴きながら筋トレをする場合には、周囲に十分注意しながら行うようにしましょう。
筋トレ動画や格闘技動画をみる
YouTubeなどで筋トレや格闘技の動画をみると、闘争本能が刺激され、トレーニング意欲が向上します。特に筋トレ動画などはフォームの勉強にもなるのでおすすめです。
個人的にはムキムキの外人女性がひたすらスクワットしている動画が好きです。
鏡や体重計で体の変化を確認する
個人差はありますが、筋トレを続けていれば徐々に体に変化があらわれてくると思います。時には鏡の前でボディビルダーのようなポーズをとり、変化を噛みしめてみるのもいいでしょう。笑いとともにモチベーションがこみ上げてくるかもしれません。
筋トレを始めたばかりの気持ちを思い返す
僕は筋トレがマンネリ化した時、必ず初心の気持ちを思い出すようにしています。
「もうアンガールズだとかエヴェンゲリオンだとか言われる人生はこりごりだ・・・!」
これです。
懸垂器具を使った筋トレのメリット、よかったこと
最後に、筋トレしてよかったこと、メリットについて書いていきたいと思います。
肌の調子がよくなった
筋トレを始める前はアトピーぎみで湿疹や蕁麻疹がよくできていたのですが、三ヶ月たった今ではあまりそういうことがなくなりました。
運動に加えて摂取カロリーが増え、栄養面が改善されたのが原因かもしれません。
写真を見た感じでも違いが何となく分かると思います。
お通じが改善された
筋トレを始める前は若干便秘ぎみだったのですが、血流がよくなったり栄養面が改善されたせいか、今では毎日どっさり出るようになりました。
姿勢がよくなった
筋トレで姿勢を維持する筋肉がついたことに加えて、懸垂スタンドを使っていたおかげで若干背骨が矯正された感じがしています。
僕はあくまで「懸垂器具」としてみていましたが、意識せずとも「ぶら下がり健康器」としての役割である、牽引(けんいん)効果を果たしてくれていたのかもしれません。
ご飯がおいしくなった
これは筋トレに限った話じゃないですけど、やっぱり運動した後のご飯はおいしいです。
また筋肉がつくと基礎代謝が上がり、何もしなくても空腹感が増すことがあると思うので、その点に関しては人によってはデメリットかもしれません。
男性ホルモンが増えた
筋トレをすると男性ホルモン(テストステロン)の分泌が盛んになります。
・・・。
つまりそういうことです。
ちなみにウェイトトレーニングでがっつり筋トレするとハゲたり、体毛が濃くなるレベルで男性ホルモンが増加することがあるようですが、自重トレーニングしかしていない僕にはそういった筋トレの副作用は全くありませんでした。
以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
筋トレはこれからも継続していくつもりなので、経過報告などできたらしていきたいと思います。