意外と怖い鳩や鳩の糞が招くウイルス被害

鳩糞によるウイルス被害

平和の象徴とされ親しまれている鳩ですが、鳩の羽や糞には感染症の原因となるウイルスや病原菌が付着しており、危険な一面もあります。特に抵抗力の弱い子供は健康な大人に比べ感染時のリスクが高く、発症時には深刻な状態になることもあるので注意が必要です。また、鳩の糞に含まれるダニやシラミはアレルギーや喘息の原因にもなります。

トキソプラズマ症

トキソプラズマという寄生虫によって引き起こされる感染症で、鳩の糞などを介して感染します。健康で免疫力のある大人であれば発症することはあまりないのですが、妊娠初期の女性が発症すると、胎児に危険が及ぶ場合があります。妊婦さんの居るご家庭では特に注意が必要です。

ヒストプラズマ症

鳩の糞などに含まれるヒストプラズマというカビの一種を原因とする感染症です。発熱、頭痛、筋肉痛などインフルエンザのような症状があらわれ、免疫不全の方や肺疾患者の場合、致命的な病状に発展してしまう事もあります。

クリプトコックス症

鳥の糞に汚染された土壌や空気の近くで過ごすことで、呼吸器からカビの一種であるクリプトコッカスを吸い込んで感染します。特に免疫力が低下した際に発症し、吸い込んだ菌は血液に乗って脳、目、肺、その他の臓器へと広がります。症状としては髄膜炎や脳炎、視神経炎、ブドウ膜炎等があります。

オウム病

鳩の糞や分泌物に含まれる病原体、クラミジアを吸い込むなどして感染します。症状は発熱、咳、頭痛、全身の倦怠感、筋肉痛、関節痛など、インフルエンザに似た症状が出ます。

鳥インフルエンザ症

主に鳥類を中心に感染する、インフルエンザウイルスによって引き起こされます。現時点で人間に感染することは稀ですが、ウイルスの特性上、突然変異もあり得ますので警戒が必要です。

その他の病気・感染症

他にもピジョンオーニソージス、ニューカッスル病、サルモネラ食中毒、脳炎など、鳩や鳩の糞を媒体とする健康被害は枚挙に暇がありません。私自身も、鳩糞の清掃作業において体調を崩したことは何度かありますし、菌が顎に付着しアゴ勇のように顎が腫れあがってしまった経験もあります。鳩の糞は乾燥することによって、粒子状になり大気中を漂います。そうした鳩糞の人体への侵入を防ぐためにも、防塵マスクを着用するなど入念な対策が必要となります。

鳩の糞による腐食被害

鳥の糞は酸性の性質を持っています。そのため、アルカリ性であるコンクリートは中和されてしまい、強度が落ちます。結果として鉄骨や建物の腐食を招きます。